2024/11/12
政治がここにきて目まぐるしく変わってきています。首相が変わったと思ったら与党が惨敗、アメリカの大統領も変わります。以前は政治が変わっても自分たちの暮らしがすぐに変わる実感がなかったかもしれませんが、これからの政治情勢には私達の暮らしや世界の紛争にも直結するような緊張感を感じます。なんとかいい方向に行って欲しいと思いますが私達一人一人が自分の頭で考えることが必要だと思います。そのようにすれば危険な状態にはならないと思います。
<かぜ情報>
咳が長引くことで受診される人が増えています。やはりマイコプラズマ肺炎を含めた肺炎の方もいらっしゃいますし咳喘息のような方もいらっしゃいます。秋以降は毎年感染症が増えますので注意が必要です。11月初めの時点ではインフルエンザはまだわずかで、コロナ陽性となる方も少ない状況です。こちらも冬には増えてくることが予想されます。
<伊奈町特定検診について>
伊奈町の特定検診期間中ですが期間は11月いっぱいまでです。期間最後の月で予約が埋まりつつあります。早めの予約と受診をお勧めします。対象者は伊奈町在住の国民健康保険証か後期高齢者証をお持ちの方になります(オプション検査となっている胸部レントゲンや大腸がん検診:便潜血などは社会保険に加入の方でも受けられます)。対象者には伊奈町から案内(受診券)が届きます。受診を希望される方は電話か窓口での予約をお願いいたします。
<来年からの診療時間変更の知らせ>
来年(令和7年)より月、火、木、金曜日の午後の診療時間は18:30までとさせていただきます。ご留意ください。(水、土曜日の午後は休診です)
<院長の書籍出版のおしらせ>
9月に糖尿病に関する本を出版いたしました。スティグマ(偏見)やエビデンス(根拠)、糖尿病治療の歴史についても改めて書いてみました。普通の医療・健康本とはやや趣が違うものになりましたし、お薬についての具体的な話のところはちょっと難しいかもしれません。しかし糖尿病をもつ人が読めば明るい気持ちになっていただけるはずです。もしご興味がありましたらご購入をよろしくお願い致します。全国の書店での販売となっていますし、電子書籍化もしています。また、当院受付でも取り扱っております。読まれたならご感想やご意見をいただければ幸いです。
<糖尿病コーナー>
以前からも申し上げている通り、また今回出版した本にも書いたとおり2型糖尿病には遺伝的な要素が大きく関係しています。一方で1型糖尿病は遺伝の要素は少ないとされています。2型糖尿病で遺伝的な要素が関与しているということが広く認識されれば、糖尿病に対するスティグマ(偏見)が少なくなるかもしれません。1型糖尿病は遺伝的要素も少なく、一方で生活習慣も発症には影響しません。このこともやはり広く認識されるべきだと思います。実際にどのくらい遺伝が糖尿病の発症に関係しているかについての数字での指標はありません。個人によっても変わってきます。遺伝的要素が生活習慣の要因より大きいと考えられる人もいればその逆である可能性のある人もいます。数値化は難しいのです。そこで、今回当院に通院されている患者様について検討させていただきました。まず、2018年から今年の6月までに糖尿病で当院を初診となった2型糖尿病をもつ人470人について2型糖尿病をもつ家族がいるか(「家族歴」といいます)を調べました。尚、今回の家族歴の定義としては親か兄弟に糖尿病にいる場合、としました(祖父母やおじ/おばは対象外)。すると2型糖尿病の家族歴をもつ方は212人(45.1%)でした。一方でご自身が糖尿病をもたず、高血圧または高脂血症で現在当院に通院されている方136人についても聞き取り調査をしたところ、糖尿病の家族歴をもつ人は16人(11.8%)でした。つまり2型糖尿病をもつ人は、そうでない人の約4倍の家族歴保有率となります。ちなみに1型糖尿病で同じ期間に当院初診となった21人では2名(9.5%)に1型糖尿病の家族歴をもつ人がいらっしゃいました。1型糖尿病については数が少ないので統計学的に差があるかの結論は難しいのですが2型糖尿病の1/4の家族歴保有率でした。2型糖尿病に遺伝的な要素が関与していると推定できる数字的根拠が示されたと思います。次に年齢と家族歴保有率との関係も調べてみました。2型糖尿病の推定発症年齢ごとに家族歴の保有率を出してみました。すると若くして発症した程、家族歴保有率は高く、発症年齢が高くなるに従って、家族歴保有率は低くなっていることが分かりました。例えば20歳台で糖尿病を発症している方の家族歴保有率は68.1%、30歳台では59.6%でした。一方、60歳台では34.6%、70歳以上では28.1%でした。若くして発症した糖尿病ほど、遺伝的な要素の影響が強く、高齢になってから発症の場合には逆に遺伝的な要素が少ないと考えられるのです。これはとても興味深い結果でここからいろいろなことが言えると思います。たとえば、親が糖尿病をもっている場合には本人もなるべく早いうちから検診を受けておいたほうがいいでしょう。また、高齢化社会となっているわが国では糖尿病の発症要因として遺伝的要素、生活習慣の他に第3の要素として「加齢」を考えていくべき段階に入ってきているのかもしれません。病気とは言えない要素として血糖値を下げる能力(「耐糖能」)も加齢とともに確実に低下してきています。多くの病気を克服して到達した高齢化社会だからこそはっきりとしてきた傾向なのかもしれません。今回の結果は10月に行われた北足立郡市医師会の学術講演会で発表させていただきました。
<院長の日記>
以前、大リーグのドジャースで活躍する大谷翔平選手を称賛する文章を書きました。ついに彼の夢がかない、満身創痍ながらワールドシリーズまで行きました。日本中が応援していますが、なぜ彼をここまで日本人は応援するのでしょうか?彼の業績は世界レベルですのでそれだけでもファンになってもおかしくはないのですが、やはり彼が私達と同じ日本人であるから、ということで間違っていないでしょう。その大谷翔平の所属するドジャースをマスコミも報道するだけでなく露骨に応援してしまっている場面が特にテレビなどでもよくみられます。山本由伸というこれまた素晴らしいピッチャーもいるわけですし、偏向報道も仕方ないです。オリンピックではやはり大っぴらにマスコミは日本人選手を応援しています。しかし最近、気になる場面をテレビで見ました。ある昼の情報番組でドジャースがメッツに勝ち、リーグ優勝を決めたという速報が入ったとき、司会者もコメンテーターも(スタッフも?)拍手をして喜んでいたのです。メッツにも千賀滉大という日本人ピッチャーがいます。私の大嫌いなソフトバンクにいた選手ですが、今シーズンは怪我もあってほとんど活躍できずリーグ優勝決定戦でも不本意な結果でした。ドジャースを応援するのは大谷、山本という日本人選手がいるから、であるとするなら同じ日本人選手がいるメッツが負けたことを考えたらそこまで大っぴらにマスコミが喜んでいいのか、という疑問をもってしまいます。確かに千賀選手には気の毒ですが大谷選手と山本選手には人気・実力とも少なくとも今シーズンは及ばないとしても何も考えずに大っぴらにドジャースを応援するのは他の日本人選手に対して失礼、あるいは不公平ではないか、という考えがどうしても私は払拭できないのです。たかがテレビ番組といっていもいいかもしれませんが情報を伝える側として偏向的な姿勢はその信用を失っていくだけであり誠に嘆かわしいと思ってしまいます。私が時代についていけない融通が利かない偏屈な人間なのかもしれません・・・。もうこうなったら来年は千賀選手が活躍してメッツが優勝することを祈ります。