2024/10/08
内科・小児科・糖尿病専門医「苦痛の少ない検査とやさしい血糖コントロールを」
9月の初めの時点で雨ばかりで暑さが懐かしいと書いてしまいましたが考えがあまかったです。結局猛暑が続きました。さすが9月後半、やはりお彼岸の頃からやっと涼しくなってきました。とはいってもかつてのような涼しさの10月とはならないかもしれませんが貴重な秋を大切に過ごしたいものです。日本でも首相が交代するし、保険証は廃止になってしまいます何かと不安の種はつきません。中東やウクライナの情勢にも心痛める毎日です。
<かぜ情報>
少しずつ風邪症状で受診される方が増えてきています。咳がしつこく続く場合が多いです。マイコプラズマ肺炎が流行しているとのことで当院でも必要に応じて検査をしていますが、そのように確定診断に至る場合は少ないです。手足口病の流行がしつこく続いて、今年は同じシーズンで複数回発症する小児もいます。
これから気温が下がってきますので例年の如く、風邪症状で受診される方は増えることが予想されます。
コロナ陽性となる方は増えてはいませんがほぼ毎日一定の割合で陽性者はいらっしゃいます。
<伊奈町特定検診について>
6月から伊奈町の特定検診が始まっています。期間は11月までです。10月以降は毎年予約枠がいっぱいになる傾向がありますので早めの予約と受診をお勧めします。対象者は伊奈町在住の国民健康保険証か後期高齢者証をお持ちの方になります(オプション検査となっている胸部レントゲンや大腸がん検診:便潜血などは社会保険に加入の方でも受けられます)。対象者には伊奈町から案内(受診券)が届きます。受診を希望される方は電話か窓口での予約をお願いいたします。
<来年からの診療時間変更の知らせ>
来年(令和7年)より月、火、木、金曜日の午後の診療時間は18:30までとさせていただきます。ご留意ください。(水、土曜日の午後は休診です)
<臨時の診療時間変更のお知らせ>
10月18日(金)の診療時間は18:15までとさせていただきます。
<糖尿病コーナー>(書籍出版のおしらせ)
このたび、糖尿病に関する本を出版いたしました。きっかけはこの院内報を読んだ幻冬舎の方からの執筆依頼でした。糖尿病では新しい考え方や治療法が次々に登場しており、これまでもこちらのコーナーで度々紹介してきましたが、改めてその集大成のような構成となりました。また、スティグマ(偏見)やエビデンス(根拠)、糖尿病治療の歴史についても改めて書いてみました。普通の医療・健康本とはやや趣が違うものになりましたし、お薬についての具体的な話のところはちょっと難しいかもしれません。しかし糖尿病をもつ人が読めば明るい気持ちになっていただけるはずです。もしご興味がありましたらご購入をよろしくお願い致します。全国の書店での販売となっていますし、電子書籍化もしています。また、当院受付でも取り扱っております。読まれたならご感想やご意見をいただければ幸いです。
<院長の日記>
埼玉県では全国で男女別学の県立高校の数が一番多いのですが、最近男子校および女子校を廃して共学化するべきとの議論が起きました。きっかけは、入学したい高校が男子校で入学できないのは世界的な男女の機会均等の流れに逆行するもので是正すべき、といった感じの「苦情」をもとに埼玉県の教育委員会が第三者機関の勧告を受けたものでした。以前にもそのような議論が起こりましたが結局は先送りとなってきました。今回も報道機関のアンケート調査などでは賛否とも拮抗しているようでした。別学維持派の意見の中には男女別学の選択肢を残すことも選択の自由の観点から必要、というものもありました。男子だけではなく女子学生にも女子校で学びたいという意見もあるようです。共学推進派からよく聞かれる意見として男女別だと異性との交流の機会がない一方で、共学ではお互い尊重協力して学校生活を送る意義がある、というものがありました。どちらかが間違っているということはないようですが、男女機会の均等に男女別学がそぐわない、という議論にはちょっと無理があるような気がします。私立では今も男子校、女子校とも数多く存在します。私立の女子校などは例えばキリスト教系の高校などで多く、このような学校はヨーロッパの女子修道院の流れをくんでいるようです。男子の私立高校のなかにはかつては軍人養成校として創立されたところもあります。私立は別学が許容され、公立では別学をなくすべき、あるいはまずは公立から率先して変えるべき、という議論は私学と公立の違いの問題から議論しなくてはならないと思います。埼玉県の男女別学の公立高校は全ていわゆる伝統校とされているところで、これも議論を起こす背景の一つかもしれません。共学推進派からすればいかにも古き悪習を体現しているものに映るかもしれませんし、これらの学校の出身者が各方面で隠然たる力を持っているといったイメージももたれているかもしれません。確かにこれらの議論が出るたびに伝統校のOBから特に強い反対意見が出てくるも事実です。私も県立の男子校を卒業しました。伝統校に入るために受験勉強をしましたし、結果としてそこが男子高であったことも伝統を今に伝えている象徴としてむしろ誇りにすら感じました。現在在学中のこれらの高校生が共学化に反対するのはかつての私と同じようなマインドがあるのかもしれません。しかし、OBとなった現在は「どっちでもいい」というのが正直な気持ちです。母校は好きですが、ことあるごとに母校の名で集まって盛り上がりたい、あるいは伝統を残すべきた、といった感情は今では全くもっていません。共学推進派から聞かれる男女の交流がない弊害も私は個人的に認めます。笑い話ですが、高校卒業したばかりの予備校や大学1年くらいまでは女子学生とまともに目をみて話すことができませんでした。多感な時期なので共学出身者でも同じことはあるのかもしれませんが、自分でも意識していなくても今でも女性にうまく接することができていないと指摘されたとすれば、さらにそれが男子校出身のせいたと言われてしまえば否定もできないかもしれません。「はあ、そうですか。」としか答えようがありません。共学だったたらもしかしたら別の楽しさがあったかもしれません。これも余談ですが、部活の大会で相手校に女子マネージャーがいたときに変に悔しくなり、ムキになって相手校に挑んでしまうといったバカなことをしていました。今回、県の教育委員会は期限を設けずに共学化を推進していく、との最終的な答申を出しました。これは事実上の議論の先送りともみられています。別学、共学ともどちらが正義とは言えない現状では共学に現状変更するには共学推進が必要となるもっと差し迫った事態にならない限り難しいでしょう。これからは少子化で人口の多い埼玉県でも学校の統廃合が進むでしょう。共学化はやがては実現していくのかもしれません。現状に対する方策として別学では特に重点的に男女機会均等について学び、議論する時間を設けるといったことをするのはどうでしょうか。