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金崎内科医院

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院内報2024年8月1日号を掲載しました

内科・小児科・糖尿病専門医「苦痛の少ない検査とやさしい血糖コントロールを」

人と会うと「暑いですね」から始まるこの頃です。「暑いですけと、大丈夫ですか?」と聞くと「まあ、なんとか」といった感じの答えになりますが、このときお互いに笑うしかない・・・・。厳しい気候であるのはみんなにとっても同じであり、であればつらいのも同じ。妙な連帯感が生まれて思わず笑うしかない。とはいってもこの暑さはシャレになってない(若い人の言葉を借りれば「ヤバい」?)のでお互い相手をいたわって体調不良にならないように声をかけあいましょう。オリンピックもいいですが、寝不足にはならないように。

<かぜ情報>

小児で一時大流行した手足口病は少し落ち着いてきたかもしれません。幼稚園などが夏休みになった影響は大きいかもしれません。大人のコロナが多いですが、急に増えたというよりも多い状態がだらだらと続いている感じです。7月末の時点では西日本でかなりの感染者の報告が出ていますが、その波がこちらにやって来ることは覚悟しておいた方がいいのかもしれません。いつもお盆頃にピークを迎えるのに既視感すら感じますが、暑さとコロナの脅威が早く終わって欲しいものです。

<療養計画書の作成と同意署名について>

6月から診療報酬改定で、糖尿病・高血圧・高脂(コレステロール)血症で定期通院されている方には生活習慣病療養計画書という書類を医療機関が作成、公布することが定められました。毎回の診療という訳ではありませんが初回の計画書にはご本人の同意の署名をいただくことになっております。診療の際にこの手続きでお手間と時間をおかけしてしまうことになりますがご理解いただけますと幸いです。インスリンやその他の注射製剤を使っている糖尿病の方や、心疾患など他の一部の疾患でも治療中の方はこの計画書の対象外となります。

<夏季休診のお知らせ>

8月9日~14日は夏季休診とさせていただきます。

<糖尿病コーナー>

今年の夏は特に発汗が多くなってしまうかもしれません。熱中症予防のために水分補給と同時に塩分をとることも推奨されます。そこでスポーツドリンクがすすめられることがありますが、これまでも繰り返し述べてきたように糖尿病がある場合にはスポーツドリンクは出来るだけ控えていただきたいです。一般的なスポーツドリンクには塩分も多く含まれますが同時に糖質も多く含まれます。やや酸っぱい味付けがしてあるので甘さをそれほど感じないかもしれませんが、かなりの糖質を含むため「塩水」と同時に「砂糖水」とも言えます。水に溶けた糖は体内への吸収が早く血糖の上昇が早いので血糖を下げる力が追い付かず血糖値自体もかなり高くなります。高血糖が続くと尿中の糖も多くなり、その尿糖によって水分も尿に引っ張られて出てしまうのでかえって脱水になってしまう危険性があります。一方で塩分は必要です。発汗によって1リットルあたり3gの塩分が失われると言われています。塩分は血管内で水分量を維持する役割がありますし、血管内の塩分濃度が低下するとノドの渇きを感じにくくなるため水分補給が後手にまわってしまう可能性もあります。対策としては、真夏だけやや味付けの濃い食事をとるなどが挙げられます。その場での急な補給の手段としてはコンビニでも売っている海藻などもいいかもしれません。市販されている塩飴ですがスポーツドリンクと同様に糖質が多く含まれます。例えば、ある塩飴の成分表をみると一粒あたり、炭水化物4.3g、食塩0.1gと書いてあります。糖質の記載がないのですが、炭水化物がほぼそのまま糖質とするとかなりの量になります(炭水化物は糖質と食物繊維を含みますが飴玉中の食物繊維は多くはないと思います)。一方市販のある老舗ブランドの酢昆布では1箱あたり食塩0.5g、糖質2.3gと記載されています。塩飴とくらべて糖質に対する塩分の比率がかなり高くなっています。スポーツドリンクとは別に一般的に経口補水液と呼ばれるものは糖質が少なく塩分が多くなっています。味もスポーツドリンクよりしょっぱく感じられます。スポーツドリンクと経口補水駅の区別がつきにくいのが難点ですが、成分表示表をチェックすることをお勧めします。代表的な経口補水液とスポーツドリンクを比較すると、経口補水液はスポーツドリンクより食塩が3倍多く、炭水化物が約半分となっています(経口補水液も多量に摂取するとそれなりの糖質も摂ってしまうことにはなります)。スポーツドリンクや塩飴はどうしても緊急の事態にそれしかない、というときだけに使うということにとどめておいていただきたいです。

<院長の日記>

パリ・オリンピックが行われています。夏のオリンピックはフランスでは100年ぶりだそうです。フランスというとおしゃれで洗練されたイメージがあるかもしれません。フランス語はやはりあか抜けて聞こえますし、料理、ファッション、音楽、芸術、いずれも一流です。このように憧れすらいだかせるところもある一方で日本人からすると「やりすぎ」のところがあるようにも見えます。先進的、あるいは合理的といえばそうかもしれませんが、言い方を変えれば適当、というか自由あるいは混迷というか・・・。開会式をダイジェストで観ましたが日本では考えられないところが多いように感じました。セーヌ河を船で選手が行進(?)するという演出も見る前は期待しましたが、実際にはなんだかなあという感じでした。同じ船に複数の国が同乗(同舟)したり、戦艦くらいの大きさの船(アメリカの選手団!)もあれば小型ボートのような舟もあったり、雨が降っているのに噴水をかけているように見えたり、パレードの合間にいろんなパフォーマンスの映像が流れたりで、なんだか収まりが悪いというかついていけませんでした。さて、そもそもフランスが世界に誇るものは世界に先駆けて人権と民主主義の思想を作り上げたことだと言われています。これらの思想は人類にとっては当たり前のことではなくフランス人が発明し、ヨーロッパに広がりその合理的な精神と相まって力ずくで世界を席巻したといってもいいかもしれません。日本も「真似をして」取り入れたようなものです。そしてこの思想が作られる発端となったのがフランス革命です。フランス革命で「自由・平等・博愛」の思想が唱えられ、今のフランスの3色の国旗に反映されていますし、国家の「ラ・マルセイエーズ」も革命の時に歌われていたものです。このフランス革命は極めて暴力的で、国王夫妻の処刑は有名ですが、しばらくは殺し合いが続き、死刑があまりにも多くなってしまったので便利な(?)処刑装置としてギロチンが発明されたくらいです。「ラ・マルセイエーズ」の歌詞も極めて暴力的で国歌としてはいかがなものかと思ってしまいます。ちなみに同じ革命でもお隣イギリスの革命はここまで暴力的ではありませんでした。この暴力的ではなかったのがイギリス人の誇りになっているようでこれもまた面白いところです。クラシック音楽では近代のオーケストラの曲は規模が拡大し、大音量のところも魅力の一つになっていますが、これもフランス革命の混乱期の軍歌・軍楽が影響しているという説もあります。とにかく戦場で兵士を大音量で鼓舞する音楽であるために管楽器、それも金管楽器が発達したと言われています。戦場ではオーケストラの演奏はできません。ヴァイオリンなどの弦楽器は外で弾く楽器ではありませんし、そもそも音量が小さすぎます。それなら管楽器だけてやってしまえ、ということで発達したのが吹奏楽です。日本では随分盛んです(軍国の名残?)。自衛隊にあるのもオーケストラではなく吹奏楽です。甲子園のスタンドで演奏しているのも吹奏楽です。軍歌・軍楽にのせられて野球の試合をしているようなものです。個人的には君が代の伴奏が吹奏楽なのが納得できません(大相撲の千秋楽でいつもそう思ってしまいます)。パリ・オリンピックの話から随分と飛躍してしまいましが、開会式を観て思いをここまでめぐらせてしまいました。今回のオリンピックでは何回君が代を聞くことができるのでしょうか。冒頭でも書きましたが、夜更かしせずに早く寝ましょう。