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金崎内科医院

〒362-0812 埼玉県北足立郡伊奈町内宿台3-40

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院内報2022年6月1日号を掲載しました

少しずつですが日常が戻ってきているような気がします。状況が改善したこともありますが、慣れてきたというのもあるかもしれません。マスクをしているのが普通で、外す方がかえって抵抗感を感じてしまうようになってしまいました。でも、やっぱりいつかは外れるようになって欲しいですね。これから暑い日も多くなると思いますが、外ではある程度の条件下であればマスクは外していいと思います。犬の散歩にマスクはさすがに要らないでしょう。ポケットにいれておく必要はまだあるかもしれませんが。

<かぜ情報>

風邪症状での受診者数はやや減ってきました。陽性者も減っています。
引き続き、発熱で受診される場合、引き続き行政からの指導のもとでの、時間的及び空間的な隔離をしたうえでの診療となります。この場合、当院の設定した発熱外来の時間帯に完全予約で対応させていただきますが、診療スペースの準備を毎回行ってからのお一人ずつのご案内になりますのでご不便をおかけすることもあるかと存じますがご理解の程、よろしくお願いいたします。

<伊奈町特定検診の開始のお知らせ>

6月20日から毎年恒例の伊奈町の特定検診が始まります。町からの案内は6月半ば頃に届くと思います。伊奈町在住の国民健康保険証か後期高齢者証をお持ちの方が対象です(オプション検査となっている胸部レントゲンや大腸がん検診:便潜血などは社会保険に加入の方でも受けられます)。今回も11月末までです(昨年は12月10日あたりまで延長になりましたが)。待合室の密を避けるために、今年も1日あたりの受診予約枠を少な目とさせていただいております。期間が長めですので余裕をもった計画で予約できるとは思います。それでも秋以降は予約がとりにくくなる可能性もありますので早めの受診をおすすめします。

<糖尿病コーナー>

新型コロナウイルスに対する新薬が期待されるところです。実際に幾つかの海外メーカーの薬が国内での承認申請を取得して処方されています。国内メーカーでも開発が進んでおり、現在国による審査を経て承認を待っているということが報道されています。早く新薬が使えるようになればいいのになかなか承認が下りないのは厚労省がモタモタしているせいだ、という論調も一部聞かれます。新薬が承認されるには安全性と有効性の両方が確認されなければいけないのですが、新型コロナウイルスの新薬の場合、おそらく有効性のデータが得られていないのだと思います。お薬の承認は新型コロナウイルスのようにいくら差し迫った病気でもこの過程を省くことは出来ないはずです。有効性を確認する方法は簡単に述べると以下の方法です。特に発売前のこの過程を日本では治験と呼んでいます。まず、本物のお薬(実薬)を飲んだ人達のグループと、偽物のお薬(偽薬)を飲んだ人達のグループで効果を比較します。新型コロナウイルスの場合は発症予防効果や重症予防効果です。またどちらの薬を飲むことになるかはくじ引きのような手法で決められ(ランダム化)、どちらかの薬を割り当てられたかは実際に薬を飲んでいる人も処方をする人(医療者)もわからないようになっています(盲検)。これはきわめて重要な条件です。わかっているのはデータを収集解析する人たちだけです。そして両方のグループの発症化率と重症化率を比較してその差が統計学的に確かなものであれば効果あり、と判定されます。重症化率の差は診断された人たちのグループ分けで済みますが、発症予防効果は当然、発症すらしていない人に飲んでいただかないとわからないのでこれだけでも数を集めるのに時間がかかるが容易に想像されます。また、重症化予防についても、より重症化率が低くなった現在の主流のオミクロン株ではやはりなかなか薬の効果が表れにくいのだと思います。統計学的に効果があると判定されるには重症化率が低い疾患の場合、より多くの人に治験に参加していただく必要があります。重症化率が低くなったのは大変にありがたいことなのですが、かえって薬の有効性の証明がしにくくなっているのです。
糖尿病の話からそれてしまいましたが、糖尿病の新薬についても現在ではこのようなプロセスが求められています。一方でテレビなどの様々な媒体で、健康や病気にいい、として様々な商品が発売されています。しかし、よく聞くと曖昧な言い回しになっています。また、もっともらしいデータも出してきますが、上述の治験とは比べものにならないくらいのレベルのものです。それでも効果があるととられかねないような広告を出してしまっている現状については本当は憂慮すべきものであり日本の規制の緩さを感じます。

<院長の日記>

ウクライナ戦争が始まって3か月が経ちました。毎日の戦争に関する報道に接するのはやはりつらいものがあります。私は1972年生まれですのでベトナム戦争のことは「知らない」です。しかし、子供の頃から新聞やニュースで世界情勢については関心をもっていました。この点では「ませた」子供だったと思います。子供ながらに報道で知った3つの戦争を今回思いだしてみました。1つめはソ連のアフガニスタン侵攻です。1978年、私はまだ6歳でしたが、新聞で大きな見出しで知ったのをなぜか覚えています。自分ながら早熟だと改めて思います。でもなぜこの戦争が起きたのかは知りませんでした。父に尋ねたような気がしますがさすがにまだ理解はできなかったようです。開戦以降は日本でも報道されることはほとんどなかったように思います。10年続いた後にソ連が撤退したという報道に接し、まだ戦争していたんだと思ったくらいでした。ちなみにこの撤退のすぐ後にソ連は崩壊します。長い戦争は国力の疲弊となり崩壊のひとつのきっかけになったとされています。ソ連は1万4千人の死者をだしたとされていますが、今回のウクライナ戦争ではロシアは3か月でこの人数を上回る死者がでているとの報道もあります(ロシアの公式な報道ではありません)。やはりこの戦争が続けば国力の衰退は確実でしょう。アフガニスタン側の死者数は膨大で、国民の10人の一人が死亡、特に大人がたくさん死んでしまったため国民の半数が14歳以下という信じられない事態になっています。ちなみにアフガニスタンはこのあともずっと内線が続き一時はアメリカの介入もありました(昨年撤退)。2つ目の戦争はイギリスとアルゼンチンによるフォークランド紛争です。私が10歳のときの1982年です。テレビでも戦闘の様子が映しだされていましたのでより鮮明な記憶となっています。3か月でイギリスの勝利という形で終わりました。よく覚えているのがアルゼンチン軍が使ったフランス製の対艦ミサイル「エクゾセ」です。実際にイギリスの軍艦一隻が沈没し一躍有名になりました。「エクゾセ」とい名前はトビウオのことだと父に教えてもらいました。3つ目は戦争とは言えるか微妙ですがアメリカによる中米のグレナダ侵攻です。これが1983年、私が11歳の時です。数日で終わったようです。アメリカもひどいことをするな、というムードが広がったのを覚えています。戦争にはならない程の国力差でしたが、ロシアがウクライナにしようとしたこととやや似ています。もちろん今回のプーチン大統領がやったことは決して認められませんが、プーチンからすればアメリカだってやっているじゃないか、くらいの感覚は持っているかもしれません。アメリカやイギリスの本当に怖いところは戦力の大きさだけはなく、いざとなったら本当に手を出してくることです。日本はかつては大げんかをしたけど今は仲の良い友達になっています。