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金崎内科医院

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院内報2021年3月1日号を掲載しました

寒い日が少しずつ減ってきました。早いものでそろそろ桜の季節です。昨年は桜を眺める余裕は全くありませんでした。むしろこんなときにも桜は咲くなんて残酷だなと思ったのを覚えています。今も余裕はありませんが、去年よりは穏やかな気持ちで桜を楽しめることを期待したいです。

<かぜ情報>

やはりかぜ症状で受診される方が少ない状態は続いています。結局インフルエンザもゼロで、例年流行するノロウイルスなどによるウイルス性胃腸炎もみられませんでした。新型コロナウイルスによるウイルス干渉よりも感染防御対策のためかもしれません。そんな気がしてきました。同時流行には至らなかったわけですがこれも一つの経験として今後の対策に生かせるのではないでしょうか。

<新型コロナウイルスのワクチン接種について>

2月になってからよくお問い合わせをいただくようになりました。しかし、まだ不確定な要素が多すぎて、具体的に申し上げられることはあまりありません。ワクチンの供給が見通せないのと、ファイザー製のワクチンは超低温保管のため拠点となるところに保管が必要となることがその要因です。現時点では伊奈町では各病院や診療所で手分けをしてできるようにしたいとの方向で動いているようです。参加の意志の有無の確認の調査が来ましたので当院では手を挙げておきました。町内のほとんどの医療機関は参加する意志を示しているようです。予約の取り方や配給をどうするかについてはもう少し時間が経たないとはっきりしないようです。

<糖尿病コーナー>

世の中には思い通りにならないことがたくさんありますね。それでも最も思い通りに行って欲しいことは何でしょうか。人は昔から自分の体こそ思い通りにいかずに苦しんできましたが、一方で自分の理性や思い込みでなんとかいい方向に持っていけると考える傾向にもあるのでないでしょうか。その背景には近代科学の発達や人間の知性や理性の拡大により生物の本分から外れた肥大した思考、つまり「頭でっかち」になってしまったことがあるように思われます。話が大げさになりすぎました。具体的な例として、睡眠や排便といった日常的なものでもなかなか思い通りに行くものではありません。むしろ思い通りにしようと思うほど思い通りにはならなくなります。それは人のからだは自然のリズムなど、人間の理性や意識とは関係のないところで動いている側面もあるからです。なんとかうまくしようとするのではなく自然のリズムに合わせてみることで結局は気付いたら調子よくなることがあります。また、うまくいかない、あるいはなんらかの不調がある場合には自然のリズムから外れた兆候と捉えた方がいいかもしれませせん。自然のリズムとは何でしょうか?それは例えば朝、明るくなるころに定時に起き、夜暗くなってから定時に寝ることです。また適度に運動をし、適度に緊張し、適度に休息をとり、定時にバランスのとれた食事を摂ることなどです。なんだ、そんなことか、親や学校の先生、はたまた医者に散々言われてきたことだ、と思うかもしれません。でもこのことを身をもって実感されている人は案外少ないかもしれません。わかっているつもりと実感は随分違います。
糖尿病は合併症にならないように、または合併症がさらに進まないようにするために日頃から管理していかなくてはなりません。ここでもやはり自然のリズムが大切です。でもわかってはいてもそうはならないから皆さま苦労されているわけですよね。仕事や家事、育児、介護、など自分のペースを維持できない環境のなかでなんとか日々生活されていることでしょう。そんな中でも定期的に受診されHbA1cや血糖などの数字を聞かされなんとかしようと努力を続けているのですよね。ここはやはり、頭の片隅にでも自然のリズムという意識をおいていただきたいです。昨年春の緊急事態宣言のときにむしろ自然のリズムに合わせた生活になって血糖が下がった方が何人もいらっしゃいました。また、一方で季節により毎年血糖の変動が同じパターンを示す方もいらっしゃいます。HbA1cのグラフを一緒にみてお互いにそれに気づくときがあります。生活リズムや習慣によりどのように血糖の状況など健康状態が変化したかをご自分で振り返るようにしてみて下さい。

<院長の日記>

大河ドラマの明智光秀が終わりました。大河ドラマは毎年みるわけではありませんし、今年は途中から見始めました。
戦国時代のものになると、もう見飽きた感じがしてしまうのですが、今回は裏切り者としてあまりいいイメージの良くない明智光秀を取りあげるのは異例でしたし、信長との関係がドラマとして面白く描かれていたと思います。また、信長が京都を含む畿内の旧勢力や寺社勢力を抑えていく過程で苦労したところも興味深かったです。戦国時代というとどうしても戦国大名同士の覇権争いというイメージが強いのですが、そのような単純な構図ではなく信長が主に相手にしたのはもっと厄介な相手ばかりでした。まずは室町幕府とそれをとりまく勢力、中でも三好一派でしょう。さらに比叡山や本願寺など仏教勢力、さらにはこれはあまり知られていませんが興福寺をはじめとする寺社の荘園とそれを守る武士団も手ごわい相手でした。例えばこのような形で一時大きな力をもったものに筒井順慶が挙げられます、ドラマでは松永久秀の仇敵と描かれていました。筒井順慶は後に信長に従属し明智光秀とも深い縁がありました。本能人の変の直後に明智光秀から味方になってくれるように頼まれましたが拒絶しています。秀吉の時代になる前に若くして亡くなってしまいます。ちなみに石田三成の参謀として有名な島左近ももとは筒井順慶に仕えていました。他にも信長に抵抗した勢力として加賀や長島の一向宗、紀伊半島の北畠氏、近江の六角氏、播磨や丹波の国人衆などが挙げられます。大名同士での大きな合戦で雌雄を決めるというものではなく、誰を相手にしているのかわからなくなるくらい複雑な状況だったようです。そのため残虐で力任せのイメージが強い信長ですが調略なども用いていたようです。何度も裏切りにもあっています。本願寺の変が決定的になっていますが、浅井長政の裏切りの時もかなり危なかったようです。あれだけ裏切られたら残虐になってしまうのも無理のないことかもしれません。主人公だからということもあるでしょうが、光秀の人物像は興味深かったです。信長を裏で動かしているくらいの知略とヴィジョンを持っていて、最後はどうにもコントロールが利かなくなって裏切ったようになっていましたね。ここでドラマはすぐ終わりで、山崎の合戦の場面もなく、それどころ京で光秀らしき人物が見かけられたところで終わっています。秀吉は本能寺の変を事前の察知しており、それどころむしろそうなることを望んでいたような発言をしていました。徳川家康は信長に不信感をいだいており、一方で光秀を大変に信頼していましたし、光秀も信長に対し家康をかばうような言動をとっています。光秀=天海上人説も含めて様々な伝説がありますがそれに対して含みを持たせた終わり方でした。2月に最終回という異例ずくめでした。やはり戦国大河は定番であるこれからもずっと続くことでしょう。私の中に主人公にして欲しい候補がいます。以前九鬼嘉隆を挙げましたがまた追って書かせていただきます。