2020/09/16
長かった梅雨などとっくの昔に感じられるくらいの暑い夏になりました。
ところで、新型コロナウイルス感染拡大が始まって半年が経ちました。気の緩みはあってはいけませんがそろそろうまく共存する方策を模索するような雰囲気にもなってきました。一方でやはり緊張を強いられる状況が続いており、不安感や精神的な疲れから体調を壊してしまう方が増えてきているように感じます。テレビなどに出てくる医者や専門家は悲観的なことしか言えませんが、私は一貫して今より悪くなることはないと思うようにしています。実際にそうなると信じています。それにしてもまさか総理大臣が交代することにはなったのには本当に驚きました。
<かぜ情報>
毎年夏に必ず流行する小児の手足口、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)が今年はまったくみられません。ここで15年近く診療をしてきましたがこんなことは初めてです。国民一人一人の感染予防策が効果をあげているは間違いないでしょう。それでもかぜ症状で受診される方は少ないながらもいらっしゃいます。
下記のように発熱などがみられる場合にはネット予約ではなく事前にお電話で予約の受け付けを承りますのでよろしくお願いいたします。
<当院での新型コロナウイルス感染対策の取り組みについて>
新型コロナウイルスの院内での感染防止のため、以下のような体制をとらせていただいております。
まず、発熱や息苦しさ、味覚嗅覚などの異常がみられた場合には院内に入る前に受付に外からお電話をしていただきます。準備ができましたら隔離室にご案内いたしますがそれまでは車内にて待機していただきます。自動車はなるべく奥の駐車場にとめていただくようにお願いいたします。隔離室にご案内する際にも通常の正面玄関ではなく別の通用口から入っていただくようにご案内いたします。尚、症状によっては車内で診察させていただく場合もあります。また、車での来院ではない場合にはなるべく速やかに別室に誘導いたします。受診の予約ですが、発熱などの症状がある場合にはネット予約は使わず、直接当院にお電話いただくようにお願いいたします。他の患者様と接触が少ない時間をご案内いたします(午前は11:00台、午後は16:00台)。
特に症状がなく定期受診で来院された際も受け付け横に備え付けのアルコール消毒液で手の消毒をお願いすると同時に非接触型体温計にて体温をチェックさせていただきます。
院内は定期的な消毒と換気を行います。職員の毎朝の検温を実施いたします。
<ホームページで当院の混雑状況確認ができるようになりました>
待合室での密を避けるため、ホームページにて当院の待合室にいらっしゃるおおよその人数がリアルタイムで確認できるようにしました。また、予約なしで受診される場合のおおよその待ち時間も表示しています。どうしても予約なしで受診されるという場合には、受診前にチェックしていただくことをお勧めします。
<糖尿病コーナー>
我々医療者が糖尿病治療の現場で参考にする「糖尿病治療診療ガイドライン」が昨年大きく改訂されました。
このガイドラインは日本糖尿病学会が定めたもので、わが国で最も影響があるものです。その改訂で特に注目されたのは食事に関するものです。従来は身長から標準体重を算出し、その標準体重を基準に適正な摂取カロリーを指導することになっていました。この標準体重を算出するときに使う指標が「肥満度(BMI):22」という数値です。この22はどういう数かというと例えば身長160cmの場合肥満度22の体重は56kgとなります。つまり従来は身長160cmの場合、標準体重は56kgと決められ、この56kgに適正なカロリーを設定するというふうに定められていました。しかし、すべての人にこの数字を求めるのは厳しいうえに現実的ではなく、かつその根拠がないということが分かってきたため、肥満度は22-25と幅を持たせる設定になりました。それはそうでしょう。そもそも人それぞれ背景がかなり異なります。かなりの肥満の人にいきなり標準体重を設定しても現実的に無理ですし(新たな改訂では例えば体重の3%減目標といった「例」が示されています)、かえって治療が大きな負担になってしまいます。また、ご高齢の方にとっては筋肉量が落ちることは避けなければいけません。また、カロリー摂取の設定にもある程度の幅を持たせていいことになりました。詳細な数値についてはより専門的な説明になってしまうのでここでは詳しくは触れませんが、いずれにせよより個別的な対応するという考え方にシフトしてきているのです。個別的なことは現実的なことでもある訳ですが、その分治療現場で細かく対応していかなければいけないので医療者にも治療を受ける側にも試行錯誤、さらには手探りといった状況にもなるわけで決して楽なことではありません。しかし、近年は生活や仕事のスタイル、さらには食事のスタイルも多様化(例えば外食やコンビニなどの普及)しているので、従来の方法ではやはりそぐわなくなってきていうのは明らかです。私もかつて大学で研修していた時期には標準体重から算出した摂取カロリーの指導についてその方法になんとなく違和感のようなものを感じていました。それでもそれに従って指導していました。時代が変わった、というのは言い訳かもしれません。特に食事という習慣はかなり個別的かつ心理的側面が大きいのは間違いなく、だからこそ難しいのだと思います。ちなみに当院では管理栄養士による栄養指導を受けてもらう場合には摂取カロリーを計算していますが、診察室時のお話し(指導?)などではそれ以外のこと食事の内容(栄養素の配分)や食事時間、生活スタイルについてお話しをうかがうことが中心となっています。栄養士さんに任せてしまっているところもあってそこは反省点かもしれません・・・。
院長の日記
待合室に置くために定期購読していた「サライ」という雑誌があります。コロナウイルス感染防止のため残念ながら今は置いていません。そのサライの今年の春のあたりの号で沖縄の首里城のペーパークラフト(紙の模型)が付録になっていました。早速組み立ててみたのですが、これがなかなか良かったです。ある程度の大きさがあり色もきれいでした。あくまでも紙なので質感には限界がありますが、その大きさによって十分迫力がでています。子供の頃にお城のプラモデルをよく作っていたのですが、ふとその頃を思い出し、お城のペーパークラフトがないか調べてみたらファセットというメーカーが多種類のお城を販売しているのを見つけ、和歌山城のペーパークラフトを買いました。価格は1,000円程度です。すべて自分でカッターで切り取って細かいところまで糊を使って貼り付けながら組み立てるのでかなりの労力を要します。そもそもは色のついた設計図のようなものが印刷されているだけなので安いはずです。2週間くらいかかってようやく完成しましたがこれがやはりなかなかいいです。プラモデルよりも大きく、色がついているのは強みです。細かいところもプラモデルよりよく再現されています。自室に飾って時々眺めて楽しんでいます。ところでなぜ和歌山城なのか?姫路城や熊本城などではなく・・・。実は昔から和歌山城が大好きでした。和歌山城は連立式天守閣という構造が特徴です。連立式天守閣とは天守閣を含めた4つの櫓で四角形を構成し、それぞれの櫓を渡り廊下のようなもの(多門櫓といいます)で連結しています。姫路城も同じ連立式天守閣です。ちなみに愛媛の松山城を加えて日本三大連立式天守閣(平山城)と呼ばれています。和歌山城の天守閣そのものは3層で決して高くはないのですが、曲輪全体からは機能的かつ抑制的な美しさが感じられます。コロナウイルスの流行が落ち着いたらいつか実際に見に行きたいです。