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金崎内科医院

〒362-0812 埼玉県北足立郡伊奈町内宿台3-40

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院内報2020年6月1日号を掲載しました

4月から5月は本当に暗い、陰鬱な2か月でした。緊急事態宣言のせいなのかはわかりませんが国内の患者数は6月始めの時点ではいったんは減ったようです。そして今度は「第2波」というまるで呪いのような言葉がよく聞かれます。警戒するに越したことはないでしょうが、経済回復にブレーキをかけるようなことの言葉に今後もずっと付き合っていかなければいけないのでしょうか。

<かぜ情報>

やはり休校や自粛のせいか、かぜで受診される方がかなり少ない状態が続いています。学校が始まり、経済活動も再開すれば風邪はある程度は増えるかもしれません。国内での新型コロナウイルの感染状況や症状から慎重な判断が今後もしばらく必要となるでしょうが、体調が悪くて受診しようかなと思ったときにはまずは当院にお電話いただければと存じます。

<当院での新型コロナウイルス感染対策の取り組みについて>

新型コロナウイルスの院内での感染防止のため、以下のような体制をとらせていただいております。
まず、発熱や息苦しさ、味覚嗅覚などの異常がみられた場合には院内に入る前に受付に外からお電話をしていただきます。準備ができましたら隔離室にご案内いたしますがそれまでは車内にて待機していただきます。自動車はなるべく奥の駐車場にとめていただくようにお願いいたします。隔離室にご案内する際にも通常の正面玄関ではなく別の通用口から入っていただくようにご案内いたします。尚、症状によっては車内で診察させていただく場合もあります。また、車での来院ではない場合にはなるべく速やかに別室に誘導いたします。受診の予約ですが、発熱などの症状がある場合にはネット予約は使わず、直接当院にお電話いただくようにお願いいたします。他の患者様と接触が少ない時間をご案内いたします(午前は11:00台、午後は16:00台)。
特に症状がなく定期受診で来院された際も受け付け横に備え付けのアルコール消毒液で手の消毒をお願いすると同時に非接触型体温計にて体温をチェックさせていただきます。
院内は定期的な消毒と換気を行います。職員の毎朝の検温を実施いたします。

<伊奈町特定検診開始のおしらせ>

例年と同様に6月10日から伊奈町の特定検診が始まります。伊奈町在住の国民健康保険証か後期高齢者証をお持ちの方が対象です(オプション検査となっている胸部レントゲンや大腸がん検診:便潜血などは社会保険に加入の方でも受けられます)。これまでは9月30日までの約3か月半の期間となっておりましたが、今年は新型コロナウイルス感染の流行で受診できない時期がある可能性や混雑を避けることを考慮して12月10までの約6か月間になりました。新型コロナウイルスの第2波が秋以降に起きる可能性を指摘する声もありますが、やはり今年もなるべく9月までの早めの時期に受けることをお勧めします。尚、万が一、再び緊急事態宣言となった場合にはその期間は検診も中止となります。

院長の日記

今から2か月くらい前、まだ緊急事態宣言が出る前でこれから新型コロナウイルス感染が広がるかも、という不気味な雰囲気になってきた頃、今年予定されていた東京オリンピックが「延期」になると発表されました。結果的には妥当というかやむを得ない判断でこれに異論を唱える人はいないでしょう。新型コロナウイルスの流行で先行きが見えない毎日が続く中、東京オリンピックの話題は最近ではほとんど聞かれなくなりました。ところで、過去に東京オリンピックが「中止」になったことがあったことをご存知の方は少ないのではないでしょうか(昨年NHK大河ドラマ「いだてん」では取り上げてられているようですが私は残念ながら視ていません)。1940年の第12回大会が東京で開催されることが決まっていました。1940年といえばこれからいよいよ本格的に日本が戦争に突入していこうという時期で日中戦争はもう始まっていました。国力を戦争に集中させるべきとの陸軍の強い要請があったようで日本自らが中止を申し出ました。そして東京とオリンピック誘致を争ったフィンランドのヘルシンキがその代わりに急きょ選ばれましたが、これも結局はヨーロッパでの情勢もよろしからずとのことで中止になりました。東京とヘルシンキはともに12回としてカウントされています(「みなし開催」)。ちなみにその前の1936年はベルリンでした。ナチスの宣伝に利用された大会として有名です。前畑秀子が金メダルをとった大会として日本では知られています。また1944年にはロンドンでの開催が予定されていました。1944年といえば既にイタリアは降伏していましたがドイツと日本の降伏の前年、まさに戦火が最も激しい時期であり当然中止になりました。これが第13大会です。そしてその次の1948年の大会がまた改めてロンドンとなりました(第14回)。これは延期の扱いではないので形の上では2大会連続でロンドンとなりました。この大会には日本とドイツは招待されていません。ちなみにロンドンでは1908年と2014年にもオリンピックが開催されています。計4回となり歴代最多都市になっています。また、東京とともに中止になったヘルシンキは1964年の東京大会よりも早い1952年、つまり2連続のロンドンの後に開催されました。第15回大会です。実は冬季大会でも日本は中止になったことがあります。1940年の札幌です。ご存じのように札幌も1972年に改めて開催されました。中止された大会もカウントされるということはあまり知られてないと思います。今年あるいは来年の東京大会をカウントすれば日本では計6回にもなるのです(冬季長野大会も忘れないで)。ところで今回の「延期」はオリンピック史上初めてです。しかし最悪の場合、つまり来年も新型コロナウイルスの流行の終息に目途がつかなかった場合には今度は「中止」ということも考えなければいけないかもしれません。2度も中止になった都市はもちろんこれまでありません。2024年はパリ、2028年はロサンゼルスと既に決まっています。中止になっても過去のロンドンやヘルシンキのようにまたすぐにやり直すということも難しいでしょう。無理に開催すべきではないと思いますがもし来年中止になった場合、「東京オリンピック」はつらい記憶になってしまうでしょう。嫌なジンクスにも付きまとわれる可能性もあり、どうしても日本で開催を目指す、となった場合は大阪で出直すこともありかもしれません。

<糖尿病コーナー>

半年くらい前から患者様から菊芋が血糖値にいいとテレビや雑誌で(?)やっていたから食べてみたという声を聞くことがありました。私は実際にその情報発信元を見てないのでなんとも言えませんでした。自分なりに菊芋を調べてみたところ、菊芋には「イヌリン」という食物繊維を多く含むとのことでそれが効果の理由とされているようです。食物繊維も炭水化物の一種です。炭水化物のうち消化吸収されにくいものが食物繊維で、そうでない炭水化物を糖質と呼びます。食物繊維は消化吸収されないのでエネルギーにならないばかりか、一緒に食べる食品の消化吸収も遅らせる作用もあります。また、胃のもっと奥の小腸に食べたものが届くとインクレチンといってインスリンの分泌を促す物質の分泌も増やすことが期待できます。腸内細菌にも良い効果があります(詳細は略)。これらを考慮すると食後の血糖を上がりにくくする効果が期待できます。しかし、私が調べた範囲では実際に菊芋を人に投与した上での効果を厳密に検証したデータはまだないようです。これも私の印象ですが、血糖値が下がった患者さんに考えられる理由がないかおききしたところそこで初めて実は菊芋をたべました、と申し出る方が何人からいらっしゃいました。逆に血糖値が上がってしまった理由を聞いたときに実は最近菊芋を食べていました、と申しでる方はいない印象です。あくまでも印象では悪いことはなさそうですがこれはあくまでも「印象」です。ですからやはりこちらとしては慎重な立場をとらざるを得ません。菊芋に含まれるのは食物繊維だけではないでしょうし、適正な量もわかりません。現時点は少なくともこちらから敢えてお勧めはしませんが、摂らないほうがいいとも言わない、と述べるにとどめさせていただきます。