2018/12/02
12月初旬の時点でまだあまり寒くないです。よしよし、このまま行ってくれ、というのが寒がりの私の本音です。現時点では今年は暖冬かも、との予測も出ています。季節は寒くなるべきときには寒くならなければいけない、とか、これも温暖化の影響だとすれば喜べないのではないか、といった意見もあるかもしれませんが、たまにはそういう冬もあってもいいと言いたいです。
<かぜ情報>
11月末からウイルス性胃腸炎がやや増えてききているようです。マイコプラズマ肺炎が散見されます。それなりに風邪にかかる方が季節が進むに従って増えてきています。インフルエンザの大流行(パンデミック)がいつ始まるのか、とびくびくしていますが、今年は暖冬なので遅くなるのかな、と勝手な予想をしています。とにかく、学校や幼稚園が冬休みになるまでに持ちこたえてもらえれば、穏やかに年を越せるのですが、そう願いたいです。
<インフルエンザワクチン接種のお知らせ>
10月下旬からインフルエンザワクチン接種を開始しています。予約制です。電話か窓口で予約を承ります。ネットでの診療予約ではワクチン接種の予約は受け付けておりません。
当院に定期的に通院されている成人の患者さまにつきましては、予約なしでも受診日にお申し出いただければ、その日に接種をいたします。
<糖尿病コーナー>
折にふれて、これまでも睡眠の大切さについてお話しさせていただきました。運動や食事がそれほど乱れていなくても睡眠が足りなかったり、睡眠の時間がずれてしまったりするだけで、体に様々な影響がでてしまうということが分かってきています。太りやすくもなりますし、血糖も上がってしまいます。私たち地球に住む生物はずっと太陽の恩恵を受けてきました。生物は太陽が作りだしたと言ってもいいでしょう。太陽とともに生きるようにできているのです。睡眠を含めた体のリズムは絶対に太陽の周期からは逃れられません。太陽のリズムに逆らうことで必ず無理が生じます。とは言っても、今の社会のシステムが太陽のリズムをないがしろにするようになってしまっています。いくら個人で努力しても人間の作った社会の方が寝かせてくれないのです。また、すべての人が夜同時に寝るとどうしても支障がでてしまうため、特定の人には申し訳ありませんが起きていてもらわなければいけません。介護やシステムの監視、一部の運送や交通、公共システムの維持に従事している方々です。それでもこれら夜間の仕事に従事する人の数をなるべく少なくするかみんなで少しづつ負担を共有するなどの社会制度の変革が求められると思います。前おきが長くなりました。睡眠のリズムを自身の誤解で乱してしまっている場合があります。どうしても十分な睡眠を得たいという過剰な期待のためにかえってリズムも壊してしまうこともあるのです。このあたりはある程度各人で意識して取り組まなければいけません。例えば、「忙しい」の反対で、十分に自分に時間がある場合、たくさん寝ようと思って間違った睡眠リズムになってしまう場合です。特に年配の方に多くみうけられます。自分に時間があって、その分たっぷり睡眠をとって元気でいようと思ってもかえってうまくいかない、といった経験をされる方は多いと思います。残念ながら、年齢を重ねると、睡眠時間は自然に短くなっていきます。頭ではたくさん寝たいと思っていても実際は体(脳)は寝てくれないのです。この摂理にはあらがおうとするとうまくいかなくなるのです。年を重ねると、個人差はありますが一晩で6時間以上は眠れなくなってきます。せいぜい5時間くらいと思ってもいいと思います。それなのに、「たっぷり」寝ようと思って夜8時とか9時に寝てしまうと、その5、6時間後の2時か3時には必ず目が覚めます(そもそも本当に大切な睡眠ははじめの1時間半と言われています)。まだあたりは真っ暗です。しかし、もうすでに十分寝たのでそれ以上寝るのは無理なはずです。それでももっと寝ようとしてそのまま「眠れない」状態で朝を迎えます。すると朝、起床したときに「眠れなかった」という感想をもってしまいます。なんとなく気分がすぐれずに昼寝を多くとってしまい、かえって夜の睡眠の量や質が低下してしまったり、睡眠剤に頼りたくなったりしてしまいます。睡眠剤については、最近では新しいタイプで体にやさしいものも登場していますが、以前からあるタイプの睡眠剤は睡眠の質をかえって下げたり、日中のだるさ、転びやすさが増強してしまうことが最近では指摘されています。現在既に内服している場合は急に減らすのは難しいかもしれませんが、従来型の睡眠剤を新規で内服を始めるのはおすすめできません。このように睡眠への間違った、取り組みを直すには自分で少しづつ体のリズムを変えていくしかありません。ポイントはやはり太陽の周期にとにかく合わせることです。5,6時間の睡眠が真夜中にくるように、早すぎる就床時間を少しづつ遅くします。また自分では早いと思っても目が覚めてしまったら、布団の中でいつまでも粘らずに思い切って起きてしまいましょう。そして朝から十分に日の光を浴びるようにします。日中はなるべく体を動かし、外で日光を浴びるようにします。睡眠薬を飲む方が簡単かもしれませんが、太陽の周期に自分の体をなるべく同調させる取り組みを是非大切に考えていただきたいです。
<院長の日記>
先日、ドイツで仕事をしている私の弟が日本に帰省した際に私の子供たちにチョコレートをお土産に買ってきてくれました。息子はもともとチョコレートが好きなのですが、家に置いていてもあまり減りません。というか、毎回ドイツのお土産のお菓子を買ってきてもらっても余ってしまうことが多いです。私は自分では食べないので分からなかったのですが、息子に正直な感想をきいたところ、甘いだけ、甘すぎる、のだそうです。日本のチョコには微妙な苦さなども入っていて日本のチョコの美味しさをかえって実感したそうです。そういえば、たまに帰省する弟も日本で食い溜めのような食べ方をしていつもドイツに戻っていきます。そしてドイツでの食事について嘆いていました。ドイツ人はやはり食事にあまり頓着しないようです。ドイツ料理といっても、ソーセージとビール(料理とは言えませんが)くらいしか私たちには思い浮かびません。隣のフランスはあんなに料理文化が高いのに。また、ドイツの南のイタリアの料理もご存じのように日本では人気があります。一方でイギリス料理はまずい料理の代名詞となってしまっています。狭いヨーロッパの中にあって国によって食の文化が全然違うのはとても興味深く不思議です。ドイツとイギリスはゲルマン人のなかでも同じ部族を祖先としています。もちろん現地での混血化が進んでいますが、いわゆる、アングロ(アングル→イングランド)・サクソン(ザクセン)人です。イギリスは近代になって世界に帝国を作り、勝者となっていますし、ドイツは工業や音楽などで世界をけん引しています。実をとる、理論を重視するといった気質があるのでしょうが、それでどうして料理をあまり重視しないのかはやはり理解できません。一方、日本には世界遺産にまでなった和食があります。和食だけでなく、世界中の料理を自分たちでアレンジして楽しんでいます。食べるということを大切にする文化のある国生まれてよかったとつくづく思います。私の好きなココイチのカレーもインド料理とは言い難く、日本人の作った料理だと思います。